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紹介営業で成果を出し続けるためのシステムとツールとは?

紹介営業で成果を出し、さらにそれを継続するためには、管理指標を持ってシステムを構築することと、具体的なツールが欠かせません。また経営層の役割もしっかりと認識する必要があります。
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紹介営業を実践するに当たり、きちんと管理指標を設定し、組織的にルールを設定して取り組んでいる企業は非常に少ないものです。しかし、紹介営業で成果を出し続けるためには、組織的に運用するためのシステム、ツールの設定が欠かせません。そこで今回は、紹介の成果創出パターンであるシステムを作り出すための、管理指標・ツール・経営層の役割の3つのポイントを解説します。

紹介活動システム化に必要な管理指標

紹介営業で成果を挙げ、さらにそれを継続していくためには、システムの構築が必要になります。ここでいうシステムとは、「成果創出パターンを広範囲で実現・継続するために組織で運用する制度(ルール)」のことを指します。

会社、業界、世界といった広範囲による紹介を実現するためには組織的に運用できる制度、システムが欠かせません。このシステムの構築に当たり、「管理指標」「ツール」「経営層の役割」の3つの観点が重要になってきます。

まず管理指標からご説明します。

 

紹介営業の指標といえば、「紹介からの売上高」や「契約件数(契約比率)」などがありますが、これらの結果の指標は成功パターンに再現性や継続性を持たせるのに、あまり効果がありません。継続のために必要になるのは、成果を出すまでの中間指標となる「プロセス指標」です。

プロセス指標において、紹介営業のKPI(重要指標)となりやすいのは、プロセスの順番に、「ターゲット件数」「紹介依頼数」「紹介からの面談数」になります。これらはいずれも最終指標である「紹介からの売上高」や「契約件数(契約比率)」に相関の強いものです。

ターゲット件数

自分もしくは会社がどのくらい紹介依頼をするターゲットを抱えているのかということです。顧客ランクで分類した場合、SランクからBランクくらいまでをターゲットに据える企業が多いです。

紹介依頼数

紹介依頼や、特定依頼をした顧客の数のことです。ここには、非常に短期間でなんとなく紹介依頼をしたようなケースは含めず、ポイントを押さえた紹介依頼を対象とします。

紹介からの面談数

特に面談で契約が決まることの多いビジネスの場合、この面談数の指標は重要になります。しかし、面談から本契約に至るまで時間がかかる、確定でないという場合、「紹介からの本提案件数」という指標も設定して管理していくことが重要です

システム化に欠かせない社内向けツール/顧客向け紹介ツール

紹介営業のシステム化に欠かせない2番目の要素は「ツール」です。ツールをしっかりと作っておき、紹介営業の実践において活用していきます。これらのツールを活用することで、頭の中にあるスキルを資料で具現化し、改善し続けていくことで紹介のリピートを増やしていくことができるでしょう。

ツールには、「社内向けツール」、「顧客向けツール」の主に2種類があります。

社内向けツール

・紹介マニュアル
社内で運用していく際、営業マニュアルと紹介営業マニュアルを一体化させるのがポイントです。例えば営業マニュアル50ページ中、最終10ページは紹介営業のマニュアルにするという形にすれば、社内に浸透しやすくなります。紹介営業も営業活動の一つであり、紹介営業までやってはじめて営業だという意識も根付かせることが可能です。

顧客向けツール

顧客向けツールは、大きく分けて2種類あります。

1. セグメンテーション(ターゲット選別)用紹介ツール

・CSアンケート
商品・サービスの満足度のアンケートに、紹介・口コミ実績や推奨度の問いを含めます。紹介意向や満足度、それらの要因などの把握は、紹介・口コミに結び付けるために欠かせません。

・コールスクリプト
CSアンケートの回収率が極端に低い場合、電話で直接顧客の声を拾うことがあります。そのためのコールスクリプトも一つのツールです。

2.セールス用紹介ツール

・タイミング別アプローチプラン
「どのターゲットにどのタイミングでどのようなアクションをするか」をルール化します。その目安は満足度・関心度の推移です。表などにまとめておくと便利です。

・ネットワーク把握資料
顧客の人脈把握シートともいえます。家族、子ども、友人についてや、仕事、趣味などの情報を幅広く記載します。

・紹介用アプローチブック
実際に紹介営業の面談などに臨む際には、このアプローチブックを持参するといいでしょう。これにより一定品質の紹介アプローチが可能になります。アプローチブックには、例えば、「紹介営業の重要性」や「紹介元、紹介先、自社の3者がWin-Win-Winの関係であることの重要性」、「橋渡しの役割を担うこと」「具体的にどんな人を紹介してほしいのか?」「紹介のメリット」などがイラストなどを含めて図式化されていると使用しやすいでしょう。

 

・紹介制度一覧表
「紹介特典」「キャンペーンのタイミング」など紹介してもらう場合に重要な項目を、顧客側から見てもわかるように一覧表にしたものです。そのまま営業ツールとしても活用できるでしょう。

紹介戦略における経営層の2つの役割

経営層が紹介戦略を構築していく際には、大きく2つの役割が重要です。

1.「紹介に対する本気度」を示す

優先順位として後回しになりがちな紹介を、戦略として浸透させ、成果を出すためには、経営層にしかできない「なぜ紹介が必要なのか」という明確なビジョンを社員に伝えることが欠かせません。

2.「紹介は良い活動であるという信念」を示す

経営層が、紹介がいかにいいものであるかという確信を、どれだけ信念を持って語れるかが重要です。社員の中で、紹介・口コミでビジネスを広げることはとてもいいことだというマインドを当たり前にすることが欠かせません。

紹介戦略の継続による効果

こうした紹介戦略を継続させていくと、紹介実績が上がるという結果につながります。そのうち新規営業よりも紹介営業のほうが、成約率が高いことが分かり、効率的だという認識が社内に広がっていきます。つまり紹介実績が上がるにつれて、紹介戦略の継続メリットがより感じられるようになってきます。
また紹介経由で契約してくれた顧客は、次の紹介客を連れてくる傾向が強いことが分かってきます。

まとめ

紹介営業の成果を出し続けるための管理指標、ツール、経営層の役割からシステム化について解説してきました。しかし紹介営業は、すぐに成果が出るものではありません。
しっかりとルール化し、半年から1年の基礎固めの時期を乗り越えることで、成果が出てきてメリットも感じられる好循環になり、継続が容易になります。紹介戦略が当たり前のDNAとなっていくでしょう。

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