購買活動に当たり、顧客は自ら情報を選び、比較する今の時代において、企業は何より顧客に選んでもらうことが重要になっています。このことから、営業スタッフは顧客に信頼されるということがこれまで以上に重要になっています。
そこで今回は、顧客から信頼される営業スタッフを育成するための営業トレーニング方法をご紹介します。
営業スタッフにとって、顧客の目標を理解することは何より欠かせないことです。この目標を理解するのに長けている最も訓練された営業スタッフにはどのような特徴があるのでしょうか。
最も訓練された営業スタッフは、見込客の日常業務を自ら体験しています。見込客は一日中何をしているのか、仕事でどんなことにストレスを感じているのか、逆に楽しい作業は何か、どのようなことを上司から求められ、どのように評価されているのかといったことを見込み客の立場になってリアルに実践しているのです。
例えば、マーケティングオートメーションを販売する企業であれば、見込客はマーケティング部門になるでしょう。Webマーケティング担当者が日常的に行っている業務-例えば、広告の運用管理やSEO、Webページの作成・改善、アクセス解析-を行ってみることで、彼らが何を考えているのか、何を感じているのか、どんな課題があるのか、を深く理解することができます。
こうして営業スタッフが見込客の立場になることで、より見込客を理解することができるようになり、見込客に共感することができます。それが見込客に伝われば、良い関係を築くことができ、見込客から信頼を得ることができます。また見込客の考え方をリアルに理解できるため、見込客の購買行動にスムーズに手を貸すことができるのです。
このことから、優秀な営業スタッフを育成するためには、営業スタッフに見込客をはじめとした顧客の通常業務を体験させることがポイントになります。顧客の苦労を、身をもって痛感させることで、顧客により共感できるようになるのです。
通常、新米の営業スタッフにはセールストークの暗記やテレアポ研修などでトレーニングされることが多いですが、それよりも自社の商品を実際に使って業務を行わせるといった顧客の体験をさせるほうが、深く顧客の業務を理解することができるようになります。むしろ顧客よりも深く業務を理解することを目指します。このことが顧客へ心からのアドバイスをし、手助けをするためのトレーニングになります。
現代の営業活動が行う「売り手と買い手の関係づくり」は、「医師と患者の関係づくり」に近いといえます。
売り手はまるで医師のような立場になり、買い手はその患者のような立場になるような関係をつくるということです。
もし、医師から「あなたはタバコを吸いますか? ご親族に心臓病の方はいらっしゃいませんか?」と聞かれたら、嘘はつけないでしょう。また医師が診断しようとしているときに「ちょっと考えさせてもらえませんか」とストップをかけることはありませんし、薬を処方されて「2割引にしてもらえませんか?」とは言わないでしょう。
営業活動において、売り手はまるで買い手の医師となり、患者である買い手から高い信頼を得るような関係を作ることが、営業成果を高めるために有効です。
しかし、それほどの信頼を一般的な営業スタッフが簡単に勝ち取るのはなかなかむずかしいのではないでしょうか。しかしソーシャルメディアやブログを通じた情報発信を続けるなら、どのような営業スタッフでも潜在的な顧客から信頼される指導者になれる可能性があります。
なぜなら見込客が求めている事柄について専門的な情報を持っており、成功の実績がある、もしくは成功するノウハウを持っている人物であれば、大いに興味を持ち、惹かれるはずだからです。
ソーシャルメディアやブログを通じて情報発信をすることで、潜在的な見込客に対して指導者になるチャンスを得ることができます。
営業スタッフは、ソーシャルメディアやブログを通じた情報発信にも時間を割くべきではないでしょうか。
今回は営業スタッフのトレーニング方法の一つをご紹介してきました。ポイントは顧客の立場に立って実際に顧客の日常体験して、理解を深めることです。またソーシャルメディアブログを通じた情報発信により、営業スタッフは見込客から信頼される指導者になる可能性を秘めているのです。ぜひ情報発信にも取り組む時間を作るのをおすすめします。