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紹介営業の成果を左右するCRVとは何か

紹介営業を強化するには、低頻度商材・高頻度商材それぞれに対してCRV(顧客紹介価値)を意識することが成果につながるカギとなります。本コラムでは、その意味や商材ごとの成功ポイントを解説します。
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紹介や口コミなどの営業は、飛込営業やテレアポなどの営業手法と比べて、成果を出しやすいといわれています。しかしそのノウハウ、強化する方法を知らなければ成果を出すことはできません。今回は、2種類の紹介営業の成功ポイントを解説します。

紹介営業強化の方法は商材によって異なる~2つの種類

取り扱う商材が低頻度商材か高頻度商材かによって、紹介・口コミに対するスタンスは2極化します。このことから、紹介営業を強化する方法は商材によって異なり、2種類あるということになります。

低頻度商材

車や住宅、生命保険など購入頻度の低い商材を主に取り扱う企業は、紹介・口コミの拡大を最重要ポイントとして強化していきたいと考えます。なぜなら、紹介・口コミは新規顧客の拡大に有効だからです。それは、今の成熟社会においては生命線にもなり得ます。

高頻度商材

美容室や飲食店など、購入頻度の高い商材の場合は、既存客の継続・維持ができればよいという考え方になりがちです。それは、これまで既存客の継続・維持により事業として成立する時代が長く続いてきたためです。しかし、今後、ますます成熟に向かう社会において、既存顧客との関係だけでは売り上げ成長を見込めません。契約維持・単価向上と共に、紹介・口コミを強化すべき時代が来ているのです。

このことから、低頻度商材と高頻度商材どちらの場合も、紹介・口コミを強化することが重要だといえます。

そこで、それぞれの商材についての紹介営業・口コミ強化の方法をご紹介します。

紹介営業の成果を左右するCRVとは

商材ごとの紹介・口コミを得る営業の成功ポイントを紹介する前に、紹介営業の成果を左右する「CRV」について解説します。

CRVとは、「Customer Recommendation & Referral Value=カスタマー・レコメンデイション・アンド・リファーラル・バリュー」のことで、「顧客の紹介・口コミ価値」という意味です。

例えば、顧客Aの満足度を上げたとき、顧客A本人からの売り上げだけでなく、Aの知り合いのBやCの紹介・口コミを獲得することで、さらに売り上げを上げていこうとする考え方です。

早速、低頻度商材と高頻度商材それぞれのCRVを促進する営業強化の方法をみていきましょう。

低頻度商材はCRVのさらなる強化を目指す

車や住宅、生命保険などの低頻度商材を購入する顧客は、その商材を数十年に1回、数年に1回のように人生の中で何回かしか購入しないものなので、なかなか商品の選定基準が定められず、何の情報を得ればいいのか、何を信じていいかわからずといった状況にあります。そのため、結果として、信憑性の高い身近にいる知人、経験者からの紹介や口コミを重視しやすくなります。

低頻度商材を取り扱うBtoC企業の場合は、紹介・口コミが“売り上げを作る生命線である”という認識が強いことから、すでにほとんどの企業でCRVに対する取り組みがトップ号令の下、組織的かつ効率的に行われています。既存顧客を囲い込みつつ、その周囲にいる購入してくれそうな人をターゲットにすることで効率化を狙っています。

一方、BtoB企業では紹介・口コミ強化を戦略的に行っている企業はあまり見かけませんが、顧客側が紹介・口コミを重視する傾向はあります。例えば商品選定段階で事例を集めたり、経営者・役職者同士の集まりで「〇〇についてはどうしてるの?」「うちは△△を使っている」と直接トップ同士の会話が取り交わされたりしています。

BtoC、BtoBを問わず、低頻度商材を扱っているなら、さらなる戦略的な紹介営業強化の取り組みが重要になります。

高頻度商材でもCRVによる新規顧客開拓が課題に

何度も消費し、高い頻度で購入される高頻度商材を扱う企業は、リピート率や購入単価の向上は気にかけていることが多いものの、紹介や口コミに関して十分に手が打てているとは言い難いところがあります。それは長年、そうした継続施策だけで売り上げ維持ができていたためです。

しかし、状況は変化してきています。「新規企業の参入」や「購入層の減少」などが起きているためです。それは、BtoCもBtoBも同様です。多くの業界、企業が全体的に成熟してきており、市場は伸びず、時にはコスト抑制を受けることもあります。これまで顧客との関係性の維持だけを深化させてきた企業も、これからは新規顧客獲得のためにも、紹介営業や口コミ促進に転換していくことが必要になります。

まとめ

ほとんどの市場が成長しきってしまっているこの成熟市場においては、企業はCRVを重視した経営を行っていくことが重要になります。それは低頻度商材、高頻度商材、BtoC、BtoB、業界問わず言えることです。

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