リードの獲得において、毎月一定数を獲得し続けるためには、どのような方法があるでしょうか。デジタル化が進む中、見込み顧客の行動がインターネットに大きな価値が置かれている中、リード獲得の手段をいかにデジタル時代に適合させるかが重要になってきます。 その手法がインバウンドマーケティングです。そのデジタルマーケティングの具体的な手法とポイントをご紹介します。
現代の見込客は、Googleなどのインターネット検索を利用して、思い立ったときに欲しい情報を即座に手にすることができるようになっています。見込客はもはや営業スタッフと直接面会したり、ダイレクトメールを読んだり、展示会に行かなくてもよくなりました。
このような状況から、企業も従来のアウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへと転換する時が来ています。
アウトバウンドマーケティングとは、従来の電話営業や訪問営業、ダイレクトメールや展示会やセミナーなどを実施して、企業が自ら見込客にアプローチしてリードを獲得するマーケティング手法です。一方、インバウンドマーケティングは、何らかの課題を持った見込客が自ら、主にインターネット検索やソーシャルメディアを通して自社のコンテンツに到達する、もしくはリクエストしてくることでリードが獲得できるデジタルマーケティング手法です。
このデジタル時代における人々の行動を見れば、どちらが適しているかは一目瞭然にもかかわらず、多くの企業はまだ案件創出に当たり、アウトバウンドマーケティングを重視して注力する傾向にあるといわれています。しかしもはやアウトバウンドマーケティングでは効果を得ることはむずかしくなっているのです。
このような中、やはり適しているのはインバウンドマーケティングです。リード獲得のためにインバウンドマーケティングを実施する際、何から始めればいいのでしょうか。基本は「SEO」です。SEOとは「検索エンジン最適化」のことであり、Googleなどの検索エンジンで特定キーワードにより検索されたときに、自社WEBサイトが上位表示されるように調整する施策のことです。そしてSEOの効果を出すためにはコンテンツが必要になってきます。なぜなら、主要検索エンジンであるGoogleが、コンテンツの内容を理解し、評価できるようになっているためです。もはや真に役立つ信頼のおけるコンテンツでなければ、上位表示はされないと言っても過言ではありません。
このことから、優れたコンテンツを創出し続けられるプロセスを作り上げられるかどうかが、インバウンドマーケティングでより多くの質の高いリードを獲得できるかどうかの成否の鍵をにぎり、競争優位を築くための重要事項といえるのです。
コンテンツ創出プロセスを作るポイントは3つあります。1つはジャーナリストを起用すること、2つ目はジャーナリストへ情報提供する委員会を立ち上げること、3つ目はこの2つを協働させることです。
企業が作成すべき主なコンテンツは、自社WEBサイトにおける記事やブログ、ダウンロード資料、動画などが挙げられます。これらのうち、大半を占めるのが文章コンテンツです。
この文章コンテンツは、専任のジャーナリストに依頼することがポイントです。社内で発掘し育て上げるほか、新聞や雑誌の記事を手掛けるフリーのジャーナリストを雇うという方法もあります。彼らには業界や顧客などの前提知識は不要です。必要なのはそのジャーナリズムのスキルだからです。彼らは小一時間、見込客と日々頻繁に接触している社員から話を聞くだけで、実にすばらしい見込客の課題解決コンテンツを作り上げることができます。
そうしたジャーナリストへ自社の思想や業界知識を継続的に提供し続けるために、社内に委員会を立ち上げます。コンテンツ作成でポイントになるのは、継続的に大量の良質なコンテンツを作成し続けることにあります。そのため、委員会を立ち上げることで、継続性できるベースを築きます。委員に適しているのは、業界知識に通じている社員、商品の価値提案や顧客ニーズを把握している社員です。
そしてジャーナリストと委員会が定期的に協働する仕組みを創り出すことが重要です。例えば、毎週水曜日の午後1時からジャーナリストと委員会の一人が1時間の面談を実施するのを定例化するなどして、コンテンツ作成のサイクルを作ります。
この3つのポイントを踏まえることで、コンテンツ創出が仕組み化し、WEB上でどんどん公開されていくことで、SEOの効果が出てきます。やがてWEBサイトへのアクセスが増え、ソーシャルメディアで共有される数も増え、コンテンツを求める見込客が自ら自己開示することで自社のリードとなるでしょう。
インバウンドマーケティングは、基本的に長期的に実施していくことで成果を出す手法です。SEOそのものもそのような性質があります。コンテンツ制作を実施していくに当たり、テーマを選ぶ上で重要になるのは、SEOで狙うキーワードは「ヘッド(頭)」ではなく「ロングテール(長い尻尾)」を意識することです。
ヘッドとは、例えばITサービスを売るとすれば「ITツール」などのキーワードのことです。こうしたキーワードは競争が激しいためSEO対策を行っても上位表示されにくいのが事実です。また、ヘッドキーワードで検索するユーザーは、それぞれの目的や課題が広範囲に渡るため、自社のターゲットとして不適切なケースが多くなってしまいます。
一方、ロングテールとは、「BtoB MAツール 活用法」や「顧客管理 製造業」などのキーワードのことで、これらを検索する人は限られているものの、それだけ自社のビジネスに適している可能性が高いといえます。
このことから、ロングテールキーワードをテーマにしたコンテンツは、ヘッドのキーワードをテーマにしたコンテンツよりも、大きな価値を創造するといえます。
デジタル時代におけるリード獲得法としてふさわしいといえるのはインバウンドマーケティングであり、基本はSEOによるデジタルマーケティング手法です。SEOに欠かせないコンテンツを継続して創出する仕組みを作り、ロングテールを意識してコンテンツ制作を行っていくことが重要です。