いま、多くの企業が導入しているマーケティングオートメーション。しかし、導入したものの、思うように活用できていない企業は多くあります。もともと、マーケティングオートメーションはマーケティング主導で導入されるイメージがありますが、それが大きな誤解を生んでいるというケースも少なくありません。
マーケティングオートメーションを営業成果につなげるポイントは、実はマーケティングと営業の連携と共に、営業活動の変革にあるのです。
このデジタル時代におけるマーケティング戦略は、マーケティングオートメーションの存在抜きでは語れません。今、マーケティングオートメーションは注目度も高く、メディアでも頻繁に目するようになり、さまざまな企業が導入を進めています。顧客の情報収集方法の変化から、個別のアプローチが求められる中、マーケティングを自動化することは大きな効率化につながると考えられています。
しかし、実際には、導入しても運用体制を構築することすらできていない企業も多くあります。また工夫を重ねて運用できている企業であっても、本来目指すべき期待した効果が得られていない状況があります。
残念ながら、成果創出という観点で、マーケティングオートメーションは「デジタルマーケティングの救世主」にはなっていないのが現状です。
運用体制を構築することができていないケースは、それ以前の課題がありますが、たとえ運用体制を構築できていても効果が出ないのは、何が原因なのでしょうか。
一言でいえば、マーケティングと営業とが連携していない、もしくは連携することが重要視されていないことが考えられます。
そもそも、マーケティングオートメーションの導入目的は、リード獲得を増大させ、売上に結びつけることにあります。しかし、マーケティング部門がマーケティングオートメーションを活用して購買意欲の高い見込客、つまりホットリードを創出できたとしても、もともとマーケティングと営業が十分に連携していなければ、いざ営業がそのリードに対してアプローチしたときに、思うように商談につながらない、もしくは成果が出ないことから、結局「マーケティングは的外れのリストを持ってくる」という印象になってしまいます。
従来の日本企業に根付く「縦割り」構造は、いくら刷新されているとはいえまだ残っているのが現状で、部門間で「連携している」と思っていても、意外と連携できていないものです。
マーケティングオートメーションで成果を出すには、営業部門とマーケティング部門が一体となって新しいデジタルマーケティング戦略を作っていくことが非常に重要です。
ここで、「マーケティングオートメーション導入において、わざわざマーケティングと営業を連携させる必要があるのか」と疑問に思った方もいるかもしれません。なぜなら、効率的にリードを創出し、商談につなげられる可能性のあるマーケティングオートメーションを導入すれば、もはや営業は必要なくなるのではないかとすら思われるためです。このデジタル時代、人工知能時代においては、もはや営業の未来は「人員削減」の危機にさらされているとささやかれてもいます。
しかし、実際には、営業スタッフは不要になるどころか、むしろテクノロジーを活用した高度な営業活動を実現するために、より存在感を増していくと考えられます。
実際、デジタルを使いこなす有能な営業スタッフを増やしたことで、確実に売上を上げられるようになった事例も多数存在しています。
従来の営業手法である、いってみれば“文系”が得意とする直感型の営業スタイルは過去のものになっていき、これからはむしろ“理系”が得意とする、分析に強い営業スタッフが求められていくと考えられます。
それだけの大変革が、いま世界の営業現場で起こりはじめており、今後、日本でも営業活動の変革が求められていくことは確実です。
その変革は、マーケティングオートメーションの導入が引き金になり得ます。いってみれば、マーケティングオートメーション導入に連動する形で営業活動まで変革しなければ、デジタルマーケティングで真の成果を出す、つまり売上を上げることはできないでしょう。
マーケティングオートメーション導入で営業成果につなげるためのポイントは、マーケティングと営業を連携させること、そして理系思考で分析に長けた営業スタッフを整えることにあります。つまり、成功の鍵を握るのは、営業組織の変革といえるのです。