紹介や口コミは自然発生的なものといわれていますが、こちらから能動的に紹介営業のアプローチをかけていくほうが、何もしない場合に比べて確実に多くの紹介が発生します。今回は、紹介営業のベストプラクティスにおいて重要な、「マインド」と「タイミング」の2項目について解説します。
紹介・口コミ戦略を組織として進めるためには、営業やマーケティングなど具体的なアプローチは欠かせません。多くの紹介行動を呼び起こすためのベストプラクティスの中で、まず重要なのは「マインド」です。
結論から言えば、紹介でうまくいっている人や組織は「三方よし」のマインドをベースに動いています。つまり、「自社のメリット」に加えて「紹介先のメリット」「紹介元のメリット」のメリットの3つを考える、という考え方が浸透しているのです。
紹介のメリットというと、普通は自社のメリットとして、顧客が自ら動いてくれることから経費が安く済む、効率が良いということが思い浮かびます。しかし紹介営業が成功している組織、及び人は、紹介先と紹介元のメリットも同時にとらえているのです。例えば紹介先のメリットは、知人などからの情報であることから確実性があること、紹介特典があります。また紹介元には、紹介料や他者に貢献することができるというメリットが考えられます。
この3つをしっかりと把握することにより、紹介営業に慣れていない、気が引ける営業担当者も、憶することなく顧客にアプローチができます。
次に重要になるのが、顧客にアプローチする「タイミング」です。紹介を増やしていくためには、紹介アプローチをかけるタイミングを見極めることがポイントになります。それも、できるだけ早いタイミングで声をかけてみることが重要になってきます。なぜなら、「契約時」「納品時」「納品1~3ヶ月後」が、顧客が最も商品・サービスの良さを実感するタイミングだからです。
契約時にアプローチするのは早すぎるのではないか、まだ自社への評価は決まっていないのではないかと思われがちですが、すでに契約時には他社との比較も終え、最終的に自社を選ぶことを決めた良いタイミングです。その時点で「ぜひ納品後に、紹介してくださいね」と依頼することは、決して損はありません。
効果的な依頼をかけるタイミングを知ったら、次は、組織としてルール化して業務フローに落とし込むことが重要になります。たとえ新入社員でもフローを見れば、紹介アプローチを最高のタイミングで仕掛けることができる仕組みを作っておくことがポイントになります。このルール化・業務フローへの落とし込みは、組織として紹介営業の結果を出すためには欠かせないことです。
紹介営業のハードルは、精神的なところにあることが多くあります。そういった意味でもマインドは重要であり、「三方よし」を取り入れることで積極的に紹介アプローチができるようになります。そして顧客へ紹介の依頼をかけるタイミングも重要であり、できるだけ早い段階で行うことが必要です。組織としてルール化して業務フローに落とし込むところまで行ってはじめて、成果を出すことができるのです。