デジタル時代におけるマーケティングと営業は、どうあるべきなのでしょうか。今回は、デジタル時代において、「売れる」マーケティング活動・営業活動を実現するための4つの要素について解説します。
現代社会のマーケティング活動や営業活動は、かつてない課題に直面しています。インターネットやECの普及、購買行動の多様化や高度化、そしてグローバル化などに対応しなければならないためです。特にデジタル化が進むにつれて、人々の関心や行動は目まぐるしく変化しています。このような中、企業のマーケティング・営業活動をいかに実践していくかは、企業の経営戦略上の重要課題となってきています。
必要になるのは、このデジタル時代に適用するマーケティング活動・営業活動への変革です。
デジタル時代においては、次の4つの要素を考えることが重要です。
これらの4つの要素を指標として実行し、仕組み化して公式化することで、事業、及び企業を大きく成長させることができるのです。
デジタル時代のマーケティング・営業のあるべき姿を考える際の4つの視点をそれぞれ解説していきます。
インターネットの普及により、顧客は自ら情報収集して比較検討し、互いに議論するようになりました。この「顧客主導」の時代に対応するために欠かせないのが、リードを獲得し、見込案件を増やすことです。そのために必要になるのが、顧客の行動に則したインバウンド・マーケティングに重点を置くことです。そして営業とマーケティングそれぞれに必要なことを実践させ、何より営業とマーケティングの関係をよくすることが重要です。
顧客主導の時代では両部門の関係が悪いと命取りになります。そこで営業とマーケティングのSLA(※)を活用し、主観と定性的な観点が混在している状況から、明確な目的と定量的な目標を共有できるようにします。例えば、マーケティングは予想される期待収益額に応じたリードを、営業に与えるなどです。このSLAに基づき、マーケティングが創出したリードについて、毎月、同じ質と量を営業へ渡す方式を創り出すことが重要になります。
※SLA:「Service Level Agreement」、つまりサービスレベルの合意。一般に、サービスを提供する事業者とその利用者との間で結ばれるサービスのレベル、例えば定義、範囲、内容、達成目標などがある。見込客創出がうまくいっても、営業活動への連携が悪ければ売り上げにつながりません。デジタルで発掘した見込客には、それに見合った営業活動が必要になります。従来型の営業スタッフではデジタル時代に対応できないことも多く、デジタル営業に必要な資質・特性を持った営業スタッフを採用する必要があります。
そこで実施すべきは、まず理想的な営業スタッフの特徴をデータによって可視化し、それぞれの項目について評価方法を定めます。そして、評価結果をすべて数値化することにより、「指標」を軸として優秀な営業スタッフを判別することが可能になります。
「指標」に基づいた採用を行っていくことで、デジタル時代に適合した優秀な営業スタッフを見極めて採用することができるようになります。
営業スタッフを採用したら、デジタル時代の新しい営業スタイルを覚えてもらう必要があります。従来型の営業研修といえば「営業成績の良い営業スタッフに同行してみて覚える」といった研修が中心でした。しかしそれは危険な手法です。重要なのは、デジタル時代に適合した営業プロセスにおけるベストプラクティス、いわゆる勝ちパターンを、入社したての新人に提示し、研修を実施することが重要です。
営業スタッフの研修が終わったら、マネジメントを行いながら営業成果につなげていくことが必要になります。営業の生産性をあげるマネジメントでは、すべてのスタッフに同じプロセスを踏ませて営業活動を行わせることが重要になります。マネジメントは、コーチングを軸に組み立てることで営業スタッフのやる気を高め、最大限の営業成果を創出することを目指します。特に、「指標」を活用したコーチングを行っていくことで、マネジメントをより的確に行うことが可能になります。
これらの4つの要素を押さえながら、デジタル時代に適合した組織作りと活動の変革を行うことが、成果につなげる重要なポイントです。