営業改革や営業改善を行いたいと思っている経営者の方や営業マネージャーの方などは多いのではないでしょうか。営業改革や営業改善を成功させるには、営業チーム全体に対して実験文化を育てることがポイントになります。そこで今回は、優れた営業チームの特徴と実験を実施するプロセスについて解説します。
なかなか営業の成果が上がらず、営業チームのモチベーションが低く、活動内容の質も落ちているなら、一度、優れた営業チームにはどのような特徴があるのか確認しておきましょう。
優れた営業チームの一つの特徴として、継続的改善を基本理念に掲げていることが挙げられます。今行っている営業の実践方法が成功しても失敗しても、その方法を改善すると同時に、市場の変化に適応する新たな方法は必ず存在します。そして新しい実施方法を常に模索し、実験を継続的に行い続けるという考え方、それが継続的改善です。
成功しても失敗しても常に新しい優れた方法を模索し、「どんどん挑戦していく」「失敗を恐れない」という“実験文化”を育てることは、継続的改善の理念を促進する素晴らしいことです。
実験文化を育てることはとても重要ですが、実験は当然、成功する実験を行いたいものです。成功する実験を実施するためのプロセスとしては、次の5つがあります。
まずは明確な目標と成功の測定基準を定めましょう。実験を行うに当たり、これらは意外と見落とされることが多いです。またいったい何が成功なのかということがはっきりしていないと、成功すら曖昧になってしまいます。このことから、成功と失敗を数値化する方法を模索し定義することが重要です。
また実験の計画も必要です。実験はあくまで実験であることから、最小限の時間とコストで行わなければなりません。例えば1日1万円未満で、短期間でできる実験で、成功すればそれが3倍の収益になる可能性がある実験なら率先して実施したいものですが、その実験が1年かかり、何十万もの投資が必要といった実験は避けるべきです。実験は潜在的利益が著しく高くなければ魅力的ではないのです。つまり実験は最低限のコストと最短の期間で実施できるものにすることが重要です。
実験を行う際には、優れた実験リーダーが重要になります。例えば、実験を発案し企画したスタッフがリーダーとなれば、実験への愛着心や意欲が自ずと強くなり、成功率は上がります。
また営業の実験においては、必ず実施するチームが必要になります。最低でも2人を配属しましょう。営業の業績が優れた営業スタッフを2人実験に担当させることで、「この優秀な2人が実験に臨んだのに失敗したということは、到底、実現は不可能ということだ」という一つの答えが導き出されます。
一方、平均的な成績の営業スタッフが1人でその実験に臨んだとすればどうでしょうか。平均的であること、1人であることから、何が原因で実験が成功したのか、失敗したのかわからないでしょう。実験者は必ず2人以上のチームにし、人員は業績優秀者を選ぶのが理想です。
実験について、マネジメント層は進捗状況をどのように査定するかを計画する必要があります。例えば組織の最高幹部と営業スタッフと共に定例会議を開いて実験データを再検討する機会をつくります。もし成功が明らかであればその実験に対してさらに資金を追加する余地もあるでしょう。
営業改革や営業改善を望んでいる場合、その一つの方法として営業実験を行う継続的改善を根付かせてみてはいかがでしょうか。ポイントを押さえて、ぜひ営業実験を実践してみてください。